
お正月も一通り行事が終わり、今日はもう15日です。旧暦でいう小正月ですね。小豆粥を食べたり、お正月の物をどんど焼きして、その火でお餅を焼いて食べたりして、一年の無病息災を願う行事が各地で行われます。
また最近は変動式になりましたが、かつては「成人の日」でもありました。私事を申しますと、成人式は11年前のことで、お寺の中におりましたから、わざわざ故郷へ帰って成人式に出席するということはありませんでした。ですが、大学の先生からお祝いの言葉をいただいたことを覚えています。「七転び八起き」という言葉でした。文字通り、これからは誰にも頼ることなく、自活せよ。自活してからは、壁にぶつかって転ぶことが幾度とあるだろうが、転んでも転んでも常に自分で起き上がっていくのだよ、という励ましの言葉でした。
大切なことだなぁと有難かったのですが、ここで一つの疑問が浮上します。
「なぜ七回転んで八回起きることになるの?」
普通一回転べば一回起きます。二回転べば起き上がるのは二回目になります。すると七回転べば、起き上がるのは七回目だから、「七転び七起き」のはずなのに・・・。何かの計算ミスかぁ、と思っていたら、その答えを教えてくれた和尚さんがいました。
「自分が成人に至るまで、どれだけの方の恩を受けているか考えてごらんなさい。」というのがその答えです。なるほど、ここに至るまで、たくさんの方達にお世話になったよなぁ、と痛感しました。お世話になった方達の数は、到底数えきれる数ではありません。いろいろな方達の力添えにより、今、自分は一度転ぶ前に、已に一度起こされているんだと、気づきました。ですから一度転んで起き上がるときは、もう二回目なのです。
考えてみると、この世に生を受けたこと自体、たくさんの方達の「おかげ」なんですよね。2人の両親がいて、両親を産んだ祖父と祖母は4人、祖父と祖母を産んだ曾祖父と曾祖母は8人、その上は16人、ずっとさかのぼって10代前になると1024人という先祖の数になります。このうち1人でも欠けていたら、自分の命はなかったことになるんですねぇ。不思議なものです。「七転び八起き」の意味を、深く感じることができます。
こうして考えると、本当に多くの方々によって私達は支えられているのですが、どれだけ受けたかわからない程の量の恩を、どうやって返していこうか悩みます。成人した後も、今現在でもたくさんの恩恵をいただいております。それは返しても返してもきりがないほどの量です。だから、誰彼問わず、普段から常に感謝の気持ちで以って少しでも恩に報いていかなければならないなぁと思います。
東京・聖路加国際病院の日野原重明先生は、熱心なキリスト教の信者だそうですが、全く同感できることを述べておられます。
「長生きは、すばらしいことです。
時間があるということは、
長い人生の繕い(つくろい)をする時間が
たくさんあるということです。」
この考え方、本当にその通りだと思います。

臨済宗妙心寺派・醫王霊山温泉寺
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