温泉寺家紋
クモの糸

こんにちは。1ヶ月に最低2回はこのページを更新しようと思ってますが、早くも10月に突入し、先月も結局目標達成はなりませんでした。なかなか軌道にのらないということが、温泉寺のホームページそのもののイメージになってしまっています。
さて、話は1週間前、まだ秋のお彼岸の真っ只中です。24日(日)に、近所の子供達と大数珠をまわしました。これは例えば京都市内の各地域で今も行われている地蔵盆のようなものです。室町時代、京都で疫病が大流行した際、百万遍念仏をこの大数珠を使って唱えたところ、パタッと疫病が治まったことから、京の都の方達は、今でも8月下旬に各地域のお地蔵さんを囲み、大数珠をまわすのです。(京都市左京区百万遍という地名は、実はここに由来します。確か、百万遍には念仏寺というお寺もあると思います。)そこで我が飛騨地方には、江戸時代中期の高僧・白隠禅師がこの大数珠まわし(地元では数珠繰りと呼ばれています)を伝えました。
 温泉寺には、境内に続く173段の石段の下に、「子守地蔵堂」があります。子守地蔵だなんて、初めて耳にされる方も多いと思いますが、これはやはり江戸時代、飛騨川の大氾濫により濁流に飲み込まれ、命を落とした老婆と幼子の霊を慰めるために祀られたお地蔵さんです。このお地蔵さんの功徳を、近所の子供達と分かち合い、健やかな成長を願おうと、一昨年から秋のお彼岸の行事として「子守地蔵大数珠繰り」を始めました。(今まで温泉寺では数珠繰りの実績が全く無く、当然大数珠もありませんでしたから、一昨年、昨年は他所から大数珠をお借りしていたのです。しかし今年に入って、子供達のためにと、地元の建具師・今井頼雄様が新品の大数珠を寄贈して下さいました。感謝しています。)
お地蔵さんと言えば、冥界の裁判官・閻魔大王を連想します。私達は死後、この閻魔大王により極楽行きか、地獄行きかを分けられます。この閻魔大王こそ、実はお地蔵さんの化身なので、亡者の35日目(五七日忌・閻魔大王の裁判の日)には遺族の方は、懸命にお地蔵さんへお参りされます。しかし最近はこのような風習もなくなり、子供達に地獄や極楽などと言っても「和尚さん、地獄や極楽を自分の目で見たことあるの?」とか、「そんなに言うなら閻魔をここに連れて来てよ!」とかいうセリフと冷ややかな眼差しが返ってきます。
う~~ん。コイツラにお地蔵さんについて何を喋ろうかと、数珠繰り当日まで考えました。やはり先人は偉大です。芥川龍之介の「クモの糸」の話をしました。小学生にも理解しやすく、予想以上にこちらの話に釘づけでした。大成功!!ハッハッハッ!
昔、盗賊グループの親分がいました。たくさんの人達の物を盗んだり、脅し取ったりしていたから、バチが当たって地獄へ落ちました。子分も全員地獄へ落ちました。地獄で苦しんでいる親分を見た、天国のお釈迦様が、ある日、生前の親分の行動に一つだけ良い行動があったのを思い出しました。それは、親分が歩いていた道に一匹のクモがいて、親分は普通なら踏みつけても平気なんだけど、たまたまその時は「おっと、危ない」と言って、クモをわざと避けて歩いたことが一度だけあったのです。クモの命を粗末にしなかったということで、お釈迦様は天国から地獄にいる親分の所まで、一本のクモの糸を垂らしました。親分は「これで天国に行ける。苦しみから解放される。」と大喜びして、クモの糸をどんどん上って行きました。ところが、下を見下ろすと、大勢の子分達も上ってきます。われ先にと、すごい勢いで上ってきます。親分はすかさずクモの糸が切れてしまうことを恐れて、「このクモの糸は、俺だけのものだ!お前らは来るな!」と大声で叫びました。するとその瞬間、クモの糸がプツッと切れ、親分も子分もみんな地獄へ再び落ちて行きました。・・・というお話です。(かなり略してあります。ご容赦下さい。)
さて、この話を聞いた子供達に「どうして最後にクモの糸が切れてしまったのか?」 「どうすれば親分は地獄へ落ちずに、天国へ行くことができたか?」ということを尋ねてみました。良かったです。みんなほぼ理解をしてくれていました。「みんなで一緒に天国へ行こう!!」と親分が言っていたら、きっと全員天国へ行けたはずだと、みんなが結論を出してくれました。
この言葉を現世の自分達に置き換えると、「みんなで一緒に幸せになりましょう!!」という言葉になります。これは般若心経の「ギャーテー ギャーテー ハーラー ギャーテー ハラソウギャーテー ボージー ソワカ。」という有名な最後の一句そのものです。これで子供達にも若干般若心経が理解できたかな・・・?
何はともあれ、子守地蔵さんを大数珠で輪になって囲み、和でもって一心にまわす子供達の姿に、何だか久しぶりの微笑ましさを感じました。それと私だけ、生意気な子供達への法話がうまくいき、変な安堵の汗をかいていました。来年はどうしよう・・・と思いながら。(芥川先生、有難う!)



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