
相変わらずご無沙汰のブログであると、私自身確信しています。つい先日、あるお宅での法事の折、遠方からおみえになった親戚の方が、「いつも楽しみにしています。」とおっしゃってくれたので、ついついのせられる形での更新です。(笑)
さて、私が下呂にまいりましてから来月でちょうど円6年が経ちますが、昨年来、急速に観光客の方に対する意識が温泉寺役員さん共々高まってまいりました。年々賑やかになる秋の紅葉ライトアップのおかげか、行政の方たちや観光協会、マスコミ、旅行代理店などの宣伝で、観光客の数が増えてまいりました。昨年8月頃から現在に至るまで、コンスタントにお参りに来て下さる大型バスツアーも2件あります。という訳で、紅葉の時期以外でも、来て下さったお客さんに喜んでもらえる工夫をしようという気運が高まったのです。その結果、本堂には誰にでもわかっていただけるような説明文(由緒・特筆すべき史実)を貼り出し、紅葉の写真を飾り、下呂古来の風習の健康祈願「大数珠まわし」の体験もできるようにしました。また、お隣の観音堂には、特に若い方たち向けにと、かつてテレビで放送された「まんが日本昔話」に登場した唯一の下呂の物語「さるやの石」を安置、紹介すると同時に願掛けをしてもらおうと、奉納石を用意して、更に遊び心で「恋みくじ」なども置いてみました。更に新緑や紅葉の美しい裏参道には、これまで無縁様として祀られていたお地蔵様などを十八体、裏参道脇にそれぞれ再安置して、散策がてらお参りしていただけるようになりました。そして境内のどこに何があるか、聞かれなくてもわかるように案内板を掲げました。
そのおかげで現在は多くの観光客の方たちにも気楽に堂内に上がってもらえますし、お年寄りから若者までが、境内を散策して下さっています。私個人的にはとにかく「温泉寺へ来て良かった!」と思ってもらえたら良しな訳です。ただ、来て下さった方が本当にそう思って下さっているのかはわかりませんが・・・。
こんな調子で気楽に考えておりました。観光の街的な考え方です。つまり、お寺に来て下さる観光客が対象な訳です。勿論、観光客の方に対してできる創意工夫はまだまだありますし、やらなければならない課題も山積みです。
こうしたことを考え、実行していくことは、「観光寺」としての要素においては画期的であると思います。また、歴史や文化にも触れてはいるので、単に遊び心をくすぐる流行的なものでもなく、観光都市「下呂」の発信地としての役割も少しは果たしていると思っています。(言いすぎかも・・・。)
しかし、一地区の皆さんの「菩提寺」としての要素は、十分に成しえているのか?と問われるとどうでしょう。例えばもうすぐ3月8日。この地区の皆さんで薬師如来をお祭りする薬師祭りの日です。昔(戦前)の写真を見ますと、近所の方たちが大勢お弁当を持ち寄って楽しく歓談する姿が見られます。また、桜の季節になりますと、境内の桜のもとでみんなが踊っています。大人も子供もたくさんいます。みんな笑っているんです。まだ当時のことを記憶されている方は多いと思います。そしてきっと普段の温泉寺の写真でしょうか。人の姿は全く無く、ひっそりと、それでいてどっしりと古風な本堂が悠然と建っています。写真1枚でその静けさ、風格が伝わってきます。論理的、合理的な解釈ではなく、言葉では表現できないような心地よさがそこにはあります。地元の方たちはもしかすると、その心地よいお寺の「品格」というものを愛したのではないか?その「品格」を心の拠所とし、誇りにしていたのではないか?「品格」というほどの建物や境内ではなかっただろうと想像しますが、その素朴な雰囲気に、長い間懐かしさを覚えていたのではないか?そしてまさに今、私自身が僅か6年のうちに、長い間守ってこられたお寺の「品格」を破壊しているのではないか?と、思ってしまいます。
お寺の「品格」または「雰囲気」というものは、勿論地元の皆さんの寺ではありますが、そこに住んでいる坊主によって少なからず影響を受けるものだと思います。今は、日増しに観光客の方の姿が境内に増え、日中はいつでも賑やかな感じがしています。境内も華やかになった気がします。(俗っぽくなった気もします。)でも何とか地元の方達のための寺であり続けなければなりません。これまで湯之島の方達の寺としての「温泉寺」を長い間、歴代の住職方は守ってこられました。今年は当代から数えて先々代様の50年の法事の年です。ちょうど先程申し上げました写真の頃の「おっさま」です。現状をどのように見ておられるのでしょうか?
◎今回は「品格」という言葉を強く意識しました。一昨年出版された昭和女子大学の坂東眞理子先生の「女性の品格」。また、その前にベストセラーとなった新潮社から出版の、藤原正彦先生の「国家の品格」を意識したためです。共に考えさせられる書籍です。

臨済宗妙心寺派・醫王霊山温泉寺
下呂温泉と共に歩んできたお寺の歴史について

温泉街を一望する高台に位置する温泉寺の境内
敷地内の建物や場所のご案内
下呂温泉 醫王霊山 温泉寺
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