
今年のお盆は日本国民にとって特別なお盆でした。東日本大震災により命を落とされた何万人もの方々の初盆だからです。
といっても私どもにできることは、ただご冥福をお祈りすることと、一日も早い復興を祈ることだけでした。10日のお精霊迎え「千燈会」、15日の灯篭流し・川施餓鬼、18日の山門施餓鬼会は、被災物故者のご供養に加え、今ある命のありがたさを痛感する機会になりました。例年よりも格段に多かった参拝者1人1人が、しみじみと命の尊さを感じて下さっていました。更にいえば、「当たり前」で居れることのありがたさを考えさせられる機会になりました。
昭和54年、32歳の若さで逝去なさった井村和清さんに「あたりまえ」という詩があります。
あたりまえ
こんなにすばらしいことを みんなは何故喜ばないのでしょう。
あたりまえであることを。
お父さんがいる。 お母さんがいる。
手が二本あって、足が二本ある。
行きたい所へ 自分で歩いて行ける。
手を伸ばせば何でもとれる。
音が聞こえて 声が出る。
こんな幸せ、あるでしょうか。
しかし、だれもそれを喜ばない。
当たり前だと、笑ってすます。
食事が食べられる。
夜になるとちゃんと眠れ、そしてまた朝がくる。
空気を胸いっぱいにすえる。
笑える、泣ける、叫ぶこともできる。
走りまわれる。
あたりまえのこと。
こんなすばらしいことを、みんなは決して喜ばない。
それを知っているのは、それをなくした人たちだけ。
なぜでしょう。
あたりまえ。
本当に私たちは今こそ「当たり前」で居れるありがたさに感謝すべきだと思います。ついつい忘れてしまうことでありますが、実はこれが最大の幸福なのだと思います。
温泉寺は、これから11月の紅葉シーズンの準備に入ります。ライトアップ期間中はたくさんの催しが開かれ、1年で1番賑わいます。それと同時に今回は、ご来場なさった方みんなが、命の尊さを感じ、「当たり前」の有難味に触れていただけるような紅葉ライトアップになればと思います。
先の見えぬ東北復興を応援するためのチャリティーコンサート、祈りの燈など、寺ならではのライトアップになろうかと存じます。原則入場無料、是非お気軽にお越し下さい。

臨済宗妙心寺派・醫王霊山温泉寺
下呂温泉と共に歩んできたお寺の歴史について

温泉街を一望する高台に位置する温泉寺の境内
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