
明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い申し上げます。
おかげさまで、無事に新年を迎えることができました。当たり前のようですが、この「当たり前に」というところが「おめでたい」のであろうと思います。
1月17日は「阪神淡路大震災」、3月11日は「東日本大震災」、お盆のころになると「原爆の日」「終戦記念日」というように、いかに「当たり前」であることがありがたいことなのか、その節目ごとに改めて気付かされます。
かつて阪神淡路大震災について朝日新聞社から発行された「5000人の鎮魂歌」の中に、お孫さんを亡くされたお爺さんの詩が紹介されていました。
震災の前々日、成人式で実家にお帰りになったお孫さんと食卓を囲みながら詩われたのだそうです。
逆縁の 無きしあわせぞ 福寿草
満開の桜や深紅の紅葉は、じつに感激の深いものでありますが、庭の片隅で小さく咲く福寿草は、誰からも感動を受けるわけでも、もてはやされるわけでもありません。特別な手入れをされることもなく、じつに静かに、そこに存在すること自体もアピールせずに、時期がくれば咲き、いつの間にか散っております。温泉寺にも3株ありますが、私はその存在を見過ごしていることが多いのです。
見過ごされがちな「逆縁の無きしあわせ」を、今年も当たり前のように咲いた福寿草に想いを寄せて詩われたものでありましょう。
もっとも、当たり前のように咲くから、「福寿草」という名がついたのかもしれませんね。それだけ「当たり前」でおれることは有難いことだと、より一層感慨深くなります。
いずれにしましても、この俳句の作者のお爺さんは、その2日後にたいへんな悲劇に見舞われたのです。きっと、胸の張り裂けるような思いでおられたことと存じます。
逆縁の 無きしあわせぞ 福寿草
この17字に、私はたいへんなことを学ばせていただきました。
今年も1年宜しくお願い致します。
臨済宗妙心寺派・醫王霊山温泉寺
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