
皆様、新年明けましておめでとうございます。それぞれにこの一年間の希望を胸にお正月をお過ごしのことと存じます。昨晩から元旦にかけて、温泉寺は除夜の鐘で賑わいました。いろんな思いを込めた除夜の鐘声が、下呂の街に高らかに響きわたりました。
さて、迎えた平成18年は戌年です。犬と言うと忠誠心が強く、また可愛らしい姿が目に浮かびます。鎌倉時代、京都栂ノ尾・高山寺の明恵上人は、境内に迷い込んだ子犬を終生寵愛されましたし、徳川幕府五代目綱吉公の生類憐れみの令や、最近では渋谷の忠犬ハチ公の話はあまりにも有名です。犬に関する逸話はたくさんありますが、古来より親しまれてきた犬。その愛くるしい眼差しと、忠誠心の強さから、戌年は子育てに縁起の佳い年であると言われています。
また、中国にはこういう話もあります。韓非子に出てくる斉王と画家との問答の中で、「犬馬は難く、鬼魅(きみ)は易し」という言葉。これは、画家が絵を描くのに普段見慣れている犬や馬は描きやすいように思えるが、皆がその姿をよく理解しているため、本当は難しく、鬼や妖怪などは難しそうに思えても、皆がその実態を知らないため、ものすごく描き易いということです。私達の日常に置き換えると、普段と違う目立つようなことをすると、人目につきやすく、あるいは称賛される場合もあるでしょうが、それは意外に簡単なことで、当たり前のことを人目に触れない所で毎日続けることは、すごく難しいということです。お寺の行事をみても、一年に一度だけの大行事や、人様が集まって下さる行事はたいへんなように思えますが、準備や片付けが少々たいへんなだけで皆様に喜ばれるから、それほどのことではありません。しかし、毎朝夕の鐘つきやお勤めは、当たり前のことですが、特に寒さの厳しい朝や寝不足の朝、二日酔いの朝などは鐘だけついてお勤めは誰も見てないし休もうかなぁ、などという怠け心がついつい生まれてしまいます。当たり前のことを毎日続ける難しさを痛感します。
今年一年戌年にちなんで、「犬馬は難く、鬼魅は易し」を肝に銘じて過ごそうと思います。
最後に、皆様にとって素晴しい一年になりますように。

臨済宗妙心寺派・醫王霊山温泉寺
下呂温泉と共に歩んできたお寺の歴史について

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下呂温泉 醫王霊山 温泉寺
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